ボンジュール！
今日は、フランス語中・上級者の方向けに、フランス語学習に使える動画コンテンツ９選を紹介します。
インタビュー動画、お笑い動画、教育動画、ユーチューバー動画などなど、いずれも僕自身が実際に使って良かったと感じたものを集めました。ぜひ皆さんも自分に合った動画コンテンツを見つけて、フランス語学習をより楽しいものにしてください。
ちなみに、今回紹介するものはすべてフランス語「話者」向けに制作されている動画コンテンツです。フランス語「学習者」向けに作られた動画コンテンツではありませんのでご注意ください。フランス語学習者向けに作られたものはまた別の機会に紹介します。
I. フランス語学習にフランス語話者向けの動画コンテンツを活用しよう
フランス語話者向けの動画コンテンツとは？
フランス語話者向けの動画コンテンツとは、フランス語話者によってフランス語話者のために作られた動画コンテンツのことです。早い話、Youtubeなどでフランス人が日常的に視聴している動画チャンネルのこと。そこにあるのはフランス語話者のためのいわゆる「生のフランス語」ですね。
一方、フランス語を勉強する私たち外国人はまず学習用に作られたフランス語を勉強します。初級レベルで「生のフランス語」を理解するのは難しすぎるため、ボキャブラリや構文を簡略化した文章や会話を勉強するのが一般的です。ただ、そこにあるのはフランス語学習者用の「作られたフランス語」です。
いわゆるフランス人教師のYouTubeチャンネルも「作られたフランス語」に該当します。なぜなら、彼らはフランス人向けに話しているのではなく、フランス語学習をする外国人向けに話しているからです。それゆえ、彼らのビデオは今回の記事には登場しません。
中・上級者にオススメ
フランス語学習用に作られたフランス語は初級レベルの学習には効率的なのですが、しばしばリアリティにかけ退屈なことが多いのが欠点です。
他方、フランス語話者向けの動画コンテンツはバリバリにリアルなフランス語に触れることができるため、勉強のモチベーションが高まります。ただ、その代わりフランス語学習用に作られているわけではないので、わからなかった時には自分で調べなければいけません。答えもありません。
それゆえ、フランス語話者向けの動画コンテンツの活用がオススメなのは、中・上級レベルの方です。具体的には、文法事項の理解が一通り終わり、スクリプトがあれば（そしてそれほど難しいテキストでなければ）なんとか自分で文章の意味を調べられるくらいのレベルの方が適しています。
フランス語話者向けの動画コンテンツを活用する利点
まずは、当たり前ですが、フランス語が学べます。それも作られたフランス語ではなくリアルな生のフランス語を学ぶことができます。若者言葉、流行語、イディオム、表情、ジェスチャー、発音、間の取り方、リズムとイントネーションなどなど、学べることは無数にあります。
さらに、フランス語「を」学ぶだけではなくフランス語「で」学ぶこともできます。フランス語話者向けに作られた動画コンテンツというのは、語学の知識ではなくリアルな情報の伝達を目的にしているからです。それゆえ、私たちはフランス語の勉強をしながら常に何かを学ぶことができます。例えば、「良い睡眠習慣の作り方」というビデオを見れば、フランス語の勉強ができるだけではなく、良い睡眠習慣の作り方まで学ぶことができて、まさに一石二鳥です。
資格試験を語学学習の目標にしている人は多いですが、「フランス語を学ぶ」から「フランス語で学ぶ」にマインドチェンジすることができれば、結果的にフランス語力は飛躍的にアップすると筆者は信じています。
II. フランス語話者向け動画コンテンツの選び方
フランス語話者向けの動画コンテンツは無数にあって、どれを活用すればいいのか迷ってしまいます。どんな点に気をつけてコンテンツを選べばいいでしょうか。
字幕・スクリプトのあるものを選ぶ
まずいちばん重要なことは、動画に字幕あるいはスクリプトがあるかどうかを確認することです。
字幕・スクリプトのないものを選んでしまうと、聞き取れなかった時に自分ではどうしようもありません。お手上げです。逆に、字幕・スクリプトがあれば聞き取れなかった時に、なんと言っていたのか自分でチェックでき、学習に役立てることができます。
なので、まずは字幕・スクリプトがあるかどうかを確認して、なければ敬遠しましょう。もちろん、上級レベルの人や精聴ではなく多聴が目的だという人は字幕・スクリプトなしでもかまいません。
興味の持てる内容のものを選ぶ
次に、重要なことは自分の興味のある内容のものを選ぶということです。
学習効果を倍増させる秘訣は、知りたいという自分の好奇心を刺激すること。「この内容を理解したい！」というモチベーションがあれば、単語の意味探し一つとっても楽しいものになります。例えば、「この単語の意味がわかれば、良い睡眠習慣の作り方がわかる」と思えば、辞書を引くことも楽しくなりますよね。
それゆえ、動画はできるだけ興味の持てるものを選びましょう。
自分のレベルに合ったものを選ぶ
自分のレベルに合ったものを選ぶことも重要です。というのも、あまり難しすぎる内容のものを選んでしまうと学習に嫌気がさしてしまうからです。
また、難しさにもいろいろあります。ボキャブラリが難しい、話すスピードが早すぎる、単純に内容が難しい（日本語で聞いても分からない）などなど。
フランス語話者向けの動画コンテンツに慣れていない人は、まず自分の得意分野で、話すスピードがあまり早くない動画を探しましょう。
一度聴いてみてちんぷんかんぷんの場合は、あまり拘らずに別のものを探すことをオススメします。
短い動画を選ぶ
最後にこれもかなり重要なのですが、1分〜3分程度のあまり長くない動画を選ぶことをオススメします。
というのも、それ以上の長さの動画は精聴するには長すぎるからです。やってみればわかると思いますが、2、3分の動画をしっかり聴解して、自分でも口に出して練習しようとすると1時間はかかります。2、3分の動画でも1時間くらいかかります。30分の動画を選んだりした日には、まず1日では終わらないです。
ということで、あまり短くないものを選びましょう。もちろん、全体で30分の動画を1日に2、3分ずつやるというのもOKです。
III. フランス語学習に使えるフランス語話者向け動画コンテンツ９選
では以上のことを踏まえた上で、筆者のオススメするフランス語話者向け動画コンテンツ９選を紹介します。どれから始めればいいか分からない方は、まず字幕のあるものを活用してください。字幕のないものは多聴向けもしくは上級者向けです。
1. 情報メディア Brut
- 内容
-
様々なテーマで一般人あるいは専門家がインタビューに答えます。
- 特徴
-
環境、哲学、恋愛、社会、健康などさまざまなテーマがあり、どのビデオも興味深い。特に専門家のインタビューは一般人向けに理路整然と明確に話してくれるので、比較的聞き取りやすくオススメ。
- 字幕
-
あり。
- ウェブサイト
僕はフェイスブックでフォローしています。特に、3-4分程度のビデオはオーバーラッピング・シャドーイング練習にもってこいです。
例えば、次の動画は精神科医による「ストレスを解消するための四つのアドバイス」。
2. 文化系情報メディアKonbini
- 内容
-
若者向けの文化系情報メディア。
- 特徴
-
フランス内外の文化的・政治的なニュースやドキュメンタリー、著名人のインタビューなどを発信している。
- 字幕
-
あり。
- ウェブサイト
例えば次の動画では、ベルギーの小説家アメリー・ノトン（彼女は日本を舞台にした小説も書いています）が絶対に読むべき9冊の小説を紹介します。
3. お笑いチャンネル Topito
- 内容
-
フランスの若者に人気のお笑い動画チャンネル。
- 特徴
-
専属の俳優がよくあるステレオタイプなシチュエーションを誇張して演じて笑いを生みだす。フランス人の笑いは日本のそれとは少し違っているので初めのうちは慣れないかもしれないが、慣れるとかなり面白い。
- 字幕
-
あり。
- ウェブサイト
僕はFacebookでフォロー。Facebookの動画にはすべてフランス語字幕がついています。
例えば、次の動画は、「小包の配達を待っているとき」というタイトルで、フランスの配送業のポンコツさを誇張して表現しています（結構笑えます）。字幕がついていませんが、Facebookの動画にはついています。
4. フランス人小中高生向けの学習用サイト Lumni
- 内容
-
フランス人小中高生向けの学習用サイト。
- 特徴
-
小学生向け、中学生向け、高校生向けの学習用動画がある。わかりやすい図、イラスト、解説。外国人がフランス語で「社会」を学ぶ上ではもってこいのメディア。
- 字幕
-
あり。
- ウェブサイト
例えば、次の動画は「オリンピックの歴史」。
5. ニュース番組 franceinfo
- 内容
-
フランスの定番ニュース番組の一つ。個人的にいちばん好きなニュース番組です。
- 特徴
-
フランス時事ニュース。スタッフが素敵。24時間観られる。分からなければ巻き戻せる。
- 字幕
-
なし。
- ウェブサイト
僕はYouTubeで視聴しています。字幕はないので、精聴には適していません。
特に朝のニュースがオススメ。
6. ポッドキャスト Toute une vie
- 内容
-
著名人の人生解説。
- 特徴
-
アーティスト、作家、ミュージシャン、政治家など、古今東西の著名人を取り上げている。週一回更新。アーカイブでお目当ての著名人を探すこともできる。
- 字幕
-
なし。
- ウェブサイト
字幕がないのが玉に瑕です。精聴向けではありません。
ところでこれは動画コンテンツではありませんね。悪しからず。
7. フランス文学のオンライン授業 Mediaclasse
- 内容
-
高校生向けのフランス文学のオンライン授業。
- 特徴
-
平易なフランス語で、わかりやすい解説。素敵な講師。フランス文学の勉強をしている人は必見。
- 字幕
-
あり。
- ウェブサイト
youtubeでも動画は見れます。
例えば、次の動画はカミュ『異邦人』のレジュメと分析です。
8. フランス人大人気ユーチューバー Cyprien
- 内容
-
フランスの大人気ユーチューバーの一人（登録者数1400万人以上）。
- 特徴
-
ユーモアのあるビデオ多数。
- 字幕
-
あり。
- ウェブサイト
- https://www.youtube.com/@cyprien
例えば、次の動画は「学校」というテーマで学校生活のあるあるを面白おかしく語っています。
9. フランス語版Netflix
- 内容
-
フランス語版のNetflix。
- 特徴
-
フランス語の映画がフランス語字幕付きで観られる。日本語映画がフランス語吹き替えで観れる。
- 字幕
-
あり。
- ウェブサイト
Netflixで腰を据えてフランス語を勉強するというよりは、知っている映画でフランス語の雰囲気をつかんだり、気になる表現が出てきた時に字幕でフランス語をチェックするという使い方がオススメ。
たとえばジブリ映画のフランス語吹き替えなんてどうでしょう。おそらく多くの方にとってジブリ映画の内容は染み付いていると思うので。
まとめ
以上、フランス語学習に使える動画コンテンツ９選を紹介しました。「これ面白そうだな」というコンテンツがあれば、ぜひフランス語学習に役立ててみてください。
フランス語学習者向けに作られた動画コンテンツ（フランス人教師のyoutube授業など）はまた別の機会に紹介する予定です。乞うご期待。
それでは、また。
À bientôt !
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