ボンジュール!
今回は「フランス語で本を読もう」の第7回目。
「フランス語で本を読もう」シリーズでは、ぼくが読んだ、あるいはこれから読む予定のフランス語の本をみなさんに紹介します。

今回紹介するのは、フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas)が1995年に発表した Debout les morts (『死者を起こせ』)です。フレッド・ヴァルガスは現代フレンチ・ミステリを代表する女性作家で、筆者の妻(フランス人)のお気に入りの作家の一人でもあります。
筆者がフレッド・ヴァルガスを読むのはこれが初めてではなく、以前にL’homme aux cercles bleus(『青チョークの男』)という作品を読んだことがありました。こちらの作品では、アダムスベルグというヴァルガスを代表するユニークな警視が主人公になっています。話自体は、夜中にパリの路上に落ちているものを青いチョークで丸く囲む人物が、さまざまな物体から生き物の死骸、人間の遺体へと青いチョークの中身をエスカレートさせていくというもので、なかなか面白かったです。
今回読んだものはアダムスベルグ・シリーズものではなく、元刑事と三人の貧乏学者が謎解きをするミステリです。貧乏学者たちの名前にちなんで三聖人シリーズと言われているものです。
出だしは、オペラ歌手のソフィアが朝目覚めると、自宅の庭に一本のブナの木が植えてあるのを発見するという場面。無関心な夫と動揺するソフィアが対照的に描かれています。いったいどうして自分の家の庭にブナの木が急に出現したのか?
一方、中世史が専門の貧乏学者マルクは、ソフィアの家のとなりに貧相な見かけの一軒家を見つけ、同じく貧乏な先史学者のマチアスと、第一次世界大戦研究者のルシアンを誘い、元刑事で叔父のヴァンドスラーを加えて、シェアハウスをすることに。
さて、ブナの木が気になって仕方がないソフィアは隣人のマルクに相談を持ちかけ、ブナの木の下に何か埋まっていないか知りたいから木を掘り返してほしいとお願いします。しかし、3人がブナの木を掘り返してみても何も出てこず、、、
と、出だしはまあこんな感じです。1995年に出版されているものの、科学技術みたいなものがほとんど出てこないので、アガサ・クリスティやジョルジュ・シムノンの推理小説を読んでいるような、奇妙な時代錯誤感がありました。
ミステリとしては、個人的にわりと楽しんで読むことができました。
使われているフランス語もそれほど難しくないので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
それではまた。
À bientôt !
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