ボンジュール!
さて、今回は、3月8日の国際女性デーにフランス・パリで行われた、女性の権利を訴えるデモ行進に参加した話をしたいと思います。
この日はフランス人の妻と一緒にデモに参加したのですが、個人的にはフランスでデモに参加するのはこれがはじめてでした。
デモについての当初のイメージは、「危なそう」「警察と衝突したらどうしよう」というものでしたが、フェミニストのデモ行進はとりわけ平和主義で有名なので、今回は参加することにそれほどためらいはありませんでした。
デモの集合場所はレピュブリック広場で、デモ行進は15時から。
僕と妻は15時ちょうどくらいにレピュブリック広場につきました。人はすでに大勢集まっていましたが、行進が始まる気配はまだありません。

の犠牲となった女性の名前と年齢がかかれている。

しばらく待っていると、太鼓の演奏がはじまったり、民族舞踊が始まったり、スピーチが始まったりしました。
そのなかで、Google社がGoogleカレンダーから国際女性デーを削除したという事実を知らされました。トランプ氏に寄り添う態度なんでしょうか?
そんなこんなで1時間ほど待ったところで、ようやくみんなが動き出し、デモ行進スタート。

僕たちの前を歩いていた団体はクララ・ルチアーニの曲「La grenade(グレネード爆弾)」を流して、みんなで一緒に歌いながら行進。なんだかお祭りのような雰囲気でした。
ちなみに、クララ・ルチアーニの「La grenade」という曲は、性差別・性暴力に対するプロテスト・ソングです。サビで繰り返される「私の胸の中にはグレネード爆弾が眠っている」という言葉は、男性中心社会で抑圧される女性に潜む力と危険性を表現しています。
そして、しばらく行進した末、ちょっと体調が悪かったので、終着点のナション広場までは行かずに途中で戦線離脱して、近くのカフェに立ち寄りました。行進が始まるまでに1時間くらい待たされたのもちょっと体にこたえていたのでした。
さて、今回のデモの参加者は、組合の発表で12万人、警察の発表で4万8千人でした。
デモで主張された主な点は次のとおり。
男女の賃金格差
フランスの統計機関INSEEの発表によると、2023年の民間企業における女性の賃金は、男性の賃金より平均して22, 2%低かったそうです。
その理由の一つは一年あたりの女性の労働時間が男性よりも少ないためだそうですが、同じ時間働いた場合でも、女性の賃金は男性の賃金よりも14,2%低くなるそうです。これは男性に比べて女性が賃金の低い職業や職種に就いているためです。
女性の権利をめぐる世界的な状況の悪化
政治シーンやSNSなどで男性主義的な言動が増えてきているという点も槍玉に上がりました。
女性が妻や母としての役割に閉じ込められること、男性よりも劣った存在だと信じ込まされること、仕事で性差別を受けること、中絶の権利を失うことなどが、今後、今まで以上に危惧されます。
この傾向はアメリカのトランプ大統領の再選によって、より顕著なものとなっています。
以上、国際女性デーのフランスの様子を簡単にお伝えしました。日本ではどうだったでしょうか?
個人的には、このデモに参加してみて、フランス人のパワーみたいなものを直に感じることができました。デモの間に聞こえてきた太鼓のズンズンいうリズムとそのパワーが僕の中で結びついています。
と同時に、平和な行進でお祭り的な側面もあって、とても良い経験でした。
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