今回は悲しいニュース。フランスを代表するシャンソン歌手のフランソワーズ・アルディ(Françoise Hardy)が80歳で逝去しました。

2024年6月11日、息子のトマ・デュトロンさんがインスタグラムで、「お母さんが逝ってしまった…」と母親の逝去を報告しました。
フランソワーズ・アルディは1960年代に18才でデビューすると、一躍フランスを代表するシャンソン歌手になり、以後、50年に渡りキャリアを積み重ねました。

彼女の音楽の特徴はなんといってもそのメランコリー。当時、陽気な音楽を志向する傾向にあったイェイェ(yéyé)時代の中心にいながら、アルディはメランコリックな曲を歌い続けました。
例えば、1962年に発表された彼女の初ヒット曲「Tous les garçons et les filles(男の子と女の子)」は、「自分の年頃の男の子と女の子はみんな恋人がいるのに、私はひとりぼっち」という若者の孤独を歌った曲です。
また、フランソワーズ・アルディはリンパ腫(リンパ組織の癌)に続き、咽頭癌を患うなど、20年近く闘病生活に苦しんでいました。彼女はたびたびメディアでその闘病生活の苦しみを語っています。
そのこともあり、彼女は安楽死の合法化を求める活動家でもありました。2023年にはマクロン大統領に対して、「病状が深刻で快方の見込みのないフランス国民の苦しみを終わらせることを可能にして下さることを期待しております」と、手紙を書いています。
2023年12月の「Paris Match」のインタビューでアルディは改めて、早く苦しみから解放されたいという願望を明らかにしました。
僕は彼女の大ファンだったので彼女の逝去はもちろん悲しいですが、それを彼女が待ち望んでいたことを考えると複雑な気持ちになります…
いずれにせよ、彼女がフランス・シャンソンの歴史に残る歌手であることは間違いありません。
フランソワーズ・アルディの人生や音楽についてはまた改めて記事を書こうと思います。
乞うご期待。
À bientôt !
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