みなさん、Bonjour !
さて今回はフランス人の皮肉表現についてお話ししたいと思います。
フランス人と話をしたことがある人ならご存知かと思いますが、フランス人は日常会話でよく皮肉表現を使います。
皮肉表現というのは、「あえて思っていることと反対のことをいうこと」によって、「思っていることを強調してユーモラスに伝える表現」のことです。
たとえば、大雨が降っているときに、あえて、Qu’est ce qui’l fait beau !(なんていい天気なんだ)ということで、今大雨がふっていることを強調してユーモラスに伝えること。
日本人のわたしたちは、この手のタイプの皮肉表現をあまり使わないので、初めて上記のような表現に出くわすと、「へ?どーゆーこと?」と途方に暮れることなります。
一方、フランス人はこのような皮肉表現を頻繁に使います。物事を強調してユーモラスに伝える皮肉表現は彼らにとってとても自然な表現方法なのです。
ここでひとつ個人的な小話を紹介しましょう。
筆者が旅行ではじめてフランスを訪れたとき、こんな場面に遭遇しました。
ある女性がATMにカード入れて、お金を下ろそうとしているのですが、機械の調子がわるくてカードがリジェクトされてしまう、という場面です。
このような状況で、その女性は
C’est sympa !
といい、あきらめて去っていきました。
C’est sympa ! というのは、ふつう「いいね」とか「サイコー」というポジティブな表現なのですが、ここでは、ATMがまともに反応しないという状況を皮肉った表現として使われています。
そして、これが筆者が本場のフランスで耳にした最初の皮肉表現でした。
日本人の感覚でいうと、こういう状況の時は、「まじかよー」とか「さいあく」みたいな直接的な表現をつかうと思うのですがどうでしょうか。
少なくとも、日本人の人でこういうときに、「よっしゃー」とか「サイコー」という人はまずいないのではないでしょうか。
これが、フランス人と日本人の表現方法のちがいの一例です。
はい、今回はここまで。
次回の記事で、フランス語には他にどのような皮肉表現があるのか、よく使われる例をご紹介したいと思います。

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